2026年04月25日 採用・定着・離職防止
採用単価が10万円以下に?栃木の中小企業が自社の強みを再定義して優秀な人材を惹きつけるコツ(Vol.19)
本日は大安。良き縁を結ぶには最高の日です。 貴社が、未来を共に創るかけがえのない人材と巡り会えることを願って、ヒューマンソリューションがお届けいたします。
「大手と同じ条件では、もう誰も来ない」という諦め
先日、県内の経営者様から切実なご相談をいただきました。 「数十万円かけて求人媒体に掲載しても、応募はゼロ。たまに来ても面接にすら現れない。やはり中小企業に人は来ないのでしょうか…」
多くの中小企業が、大手企業や同業他社と同じ土俵に乗ろうとして「給与」や「休日数」の数字比べをして疲弊しています。しかし、求職者が本当に見ているのは、数字の裏側にある「この会社で働く納得感」です。
自社の強みを経営者自身が正しく認識し、言語化できていない。これが、採用難に陥る最大の原因です。
現場に伴走した結果:魅力の再定義で応募数が3倍に
多額の採用コストをかけずとも、自社の見せ方を変えるだけで劇的に状況が好転した事例をご紹介します。
対象:栃木県内の製造業(産業用機械メンテナンス)、従業員15名規模
課題:慢性的な人手不足で、大手求人サイトに多額の費用を投じていたが、半年間で採用はゼロ。自社の特徴を「アットホームな職場」という曖昧な表現でしか伝えられていなかった。
施策:現場の社員へのヒアリングを徹底し、独自の強みを抽出。単なるメンテナンス業ではなく「栃木のインフラを陰で支える技術者集団」という誇りを言語化した。さらに、評価制度を公開し、技術の習得がどう給与に直結するかを可視化して求人票に反映させた。
成果:求人広告のオプションを一切使わず、ハローワークと自社サイトのみで、3か月間に5名の応募を獲得。採用単価は実質10万円以下を達成し、価値観に共感した2名の若手エンジニアを採用することができた。
採用単価を抑え、優秀な人材を惹きつける3ステップ
なぜこの会社では、広告費をかけずに人が集まったのか。そのステップを整理します。
1.現場の「当たり前」を言語化する
経営者にとっての日常は、外から見れば特別な価値です。「うちは普通だよ」と言わずに、長く働いている社員になぜ辞めないのかを聞いてみてください。そこに、求人票に書くべき真の魅力が隠されています。
2.「どんな人」に来てほしいかを絞り込む
誰でもいいから来てほしい、という願いは誰にも刺さりません。大手の条件には惹かれないが、技術をじっくり磨きたい、あるいは地元に貢献したいといった特定の人物像に向けたメッセージへ磨き上げます。
3.評価と報酬の連動を公開する
入社後の安心感は「何を頑張れば給与が上がるか」が明確なことにあります。採用段階から評価基準の一部を見せることで、成長意欲のある優秀な人材ほど「この会社は自分を正当に見てくれる」と判断します。
よくある質問(FAQ)
A. 給与や休日数といった「数字(条件)」だけの比較では、体力のある大手企業には勝てないからです。 求職者が本当に求めているのは、条件の裏側にある「この会社で働く納得感」や「独自のやりがい」です。大手と同じ土俵で数字を競うのではなく、自社ならではの魅力を明確に言語化しなければ、数ある求人の中に埋もれてしまいます。
A. 経営者の頭の中だけで考えるのではなく、現場で長く働いている社員に「なぜこの会社で働いているのか」「なぜ働こうと思ったのか」をヒアリングすることです。 経営者にとっての「当たり前の日常」の中に、他社にはない特別な価値が隠れています。「アットホーム」などの曖昧な言葉を捨て、「栃木のインフラを陰で支える技術者集団」といったように、具体的な現場の誇りや役割を言葉にして磨き上げることが重要です。
A. 求職者の入社後の「不安」を、「安心感と成長意欲」に変えることができるからです。 求人段階で「何を頑張れば、どのように給与や等級が上がるのか(評価と報酬の連動)」を明確に示してあげることで、成長意欲の高い優秀な人材ほど「この会社は自分の努力を正当に評価してくれる」と判断し、応募の強力な決め手となります。
≪参考:note記事≫「紹介料30%」を払う前に。なぜ採用の『内製化』こそが、中小企業の財務基盤を安定させる最強の投資なのか
【まとめ】
採用は、単なる条件の提示ではありません。自社の価値観を言語化し、それに共感する仲間を探すブランディングそのものです。
高い広告費を払う前に、まずは足元の魅力を掘り起こしてみませんか。自社の中に眠っている選ばれる理由を、私たちは経営者様と一緒に見つけ出し、求職者に届く言葉へと磨き上げます。
次回のコラムもお楽しみに。貴社に最高の縁が舞い込むことを、心より応援しております。
【次回予告】5月1日(金)
1on1面談がただの雑談で終わっていませんか?中小企業で面談が機能しない理由と改善策(Vol.20)
この記事の著者
葆東雅仁(ほうとう まさひと)
株式会社ヒューマンソリューション 代表取締役
HR・人材領域に24年携わる人事コンサルタント。栃木県を中心に中小企業の採用・評価・育成を一体で支援。
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