2026年02月05日 育成・マネジメント・組織づくり
名プレイヤーが名コーチとは限らない?中小企業で「教え上手な先輩」を育成する仕組み作り(Vol.6)
本日は大安の良き日!貴社の組織づくりが万倍に実ることを願って、ヒューマンソリューションより人事コラムをお届けいたします。
結論(要約)
「仕事ができる優秀なエース社員に任せれば、新人も優秀に育つ」というのは、多くの中小企業が陥りがちな大きな誤解です。
「プレイヤーとして優秀なこと」と「他人に教えるのが上手いこと」は全く別のスキルであり、新人を確実に育てるためには、まず「教える側の先輩(メンター)」を育成し、会社全体で彼らを評価・支援する仕組みを構築することが不可欠です。
エース社員を指導役に任命した際の2つの失敗事例
プレイングマネージャーが多い中小企業では、以下の理由から新人育成が失敗しやすくなります。
- 「感覚」や「センス」の押し付けによる新人の離職
- NGな理由:名プレイヤーは高い成果を出すプロセスを感覚で行っていることが多く、論理的な説明が苦手です。「なんでこんな簡単なことができないの?」という相手の理解度を無視した指導になりがちで、プレッシャーに耐えきれず新人が辞めてしまいます。
- 先輩社員(エース)自身の業務過多による疲弊・離職
- NGな理由:自身の重い営業ノルマや実務を抱えたまま新人の面倒を見させられると、「自分の仕事が終わらないのに新人の尻拭いまでさせられる」と疲弊し、最悪の場合、組織の要であるエース社員まで会社を去ってしまいます。
新人を確実に育てる「教え上手な先輩」を育成する3つのステップ
属人的な努力に頼らず、「人が育つ会社」を作るためには以下の3つの解決策が有効です。
1. ティーチングとコーチングの違いを理解させる
- 具体策:右も左も分からない入社直後は答えを直接教える「ティーチング(指示)」、業務に慣れてきたら「君はどうすればいいと思う?」と本人に考えさせる「コーチング(質問)」へと切り替えるスキルを先輩社員に学ばせます。
- 効果:新人の成長段階に合わせて指導方法を使い分けることで、指示待ちではなく「自立・自走する社員」を育てることができます。
2. 業務を細分化し感覚を「言語化」するトレーニングを行う
- 具体策:「背中を見て覚えろ」という指導を脱却するため、先輩社員自身に自分の業務プロセスや「なぜその手順で行うのか」という理由を紙に書き出してもらいます。
- 効果:無意識に行っている感覚が言語化・整理されることで、立派なマニュアルがなくても新人へ的確に伝わる指導ができるようになります。
3. 指導する先輩側の業務負荷を調整し「評価」に組み込む
- 具体策:指導期間中は先輩個人のノルマを一時的に下げるか、「後輩を一人前に育て上げたこと」を個人の売上と同等以上に人事評価や賞与に反映させる制度を設計します。
- 効果:会社としての配慮と評価の仕組みがあることで、先輩社員はモチベーションを落とさず、安心して後輩の育成に注力できるようになります。
経営者・人事担当者へ向けたアドバイス
「人が育つ会社」を作るためには、現場の属人的な努力に丸投げするのではなく、会社全体で「教える人を評価し、守る仕組み」を設計することが重要です。
社内だけでの指導力向上に行き詰まりを感じた際は、メンター向けの研修や評価制度の見直しなど、第三者の専門的な知見を取り入れながら体制を整えていくことをおすすめいたします。
【次回予告】2月11日(水)
人事専任がいない中小企業必見!ChatGPTを活用して評価コメント作成を効率化する方法(Vol.7)
この記事の著者
葆東雅仁(ほうとう まさひと)
株式会社ヒューマンソリューション 代表取締役
HR・人材領域に24年携わる人事コンサルタント。栃木県を中心に中小企業の採用・評価・育成を一体で支援。
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