大安吉日人事のコラムCOLUMN

2026年07月09日 採用・定着・離職防止

採用難を突破する「求人票」の書き方(Vol.32)

栃木の空はどこまでも高く、新しいことに挑戦するにはこれ以上ない吉日となりました。経営者の皆様、いかがお過ごしでしょうか。

ハローワークに求人を出しても反応がない。求人広告に大金を投じても面接に繋がらない。ようやく来たと思ったら、条件面だけを確認して辞退されてしまう……。このような「採用難」の壁に突き当たり、途方に暮れている経営者の声を、宇都宮市を中心とした栃木県内の各地で耳にします。しかし、反応がないのは会社に魅力がないからではありません。その魅力が、求人票という「たった一枚の紙」の上で伝わっていないだけなのです。


誰にでもいい顔をする求人票は「誰にも刺さらない」

多くの会社が陥る失敗の第一は、きれいで無難な言葉を並べてしまうことです。

  • 「アットホームな職場です」
  • 「未経験者歓迎」
  • 「やりがいのある仕事」

これらの言葉は一見耳に心地よいですが、今の求職者の心には一ミリも響きません。なぜなら、どこの会社も同じことを書いているからです。

特に栃木県内、そして宇都宮エリアには、大手企業の工場や物流拠点がひしめき合っています。給与や福利厚生の「数字」だけで戦おうとすれば、資本力のある大手に負けるのは明白です。私たちが求人票で戦うべき土俵は、数字ではなく、その仕事の「手触り」「体温」なのです。

「たった一人の、うちの会社に絶対必要なあの人」に向けて書く。この覚悟こそが、採用難を突破する第一歩となります。

欲しい人材を惹きつける!求人票「3つの鉄則」

具体的に、どのような書き方をすれば求職者の指が止まるのでしょうか。私、葆東が現場でアドバイスしている、即効性のある3つの改善策をお伝えします。

1. 仕事の「苦労」を隠さず開示する 楽な仕事を探している人ばかりではありません。「夏は暑くて冬は冷える現場ですが、その分、完成した時の達成感は格別です」というように、大変な部分を正直に書くことで、情報の信頼性が飛躍的に高まります。結果として、覚悟のある質の高い人材が集まるようになります。

2. 「あなた」という主語で語りかける 募集要項をただ羅列するのではなく、入社後の具体的な一日をイメージさせます。 「朝、出社したらまずこれをお願いします。午後にはこんなやりがいが待っています」と、読み手が自分の働く姿を映像として思い浮かべられるレベルまで、具体的に書き込みましょう。

3. 地域ならではの「独自報酬」を言語化する 通勤ラッシュがない、地元の祭りには全員で参加する、社長の差し入れが時々配られる……。大手企業が絶対に真似できない、その会社独自の「文化」こそが最高の武器になります。これらは、給与明細には載らない、中小企業ならではの「報酬」なのです。

【事例】情報の解像度を上げ、応募ゼロから劇的改善

ここで、私が関わった栃木の建設会社での事例をご紹介します。

当初は「土木作業員募集」という素っ気ない内容で、応募はゼロでした。そこで現場監督の想いを徹底的にヒアリングし、出てきた言葉をそのまま求人票の見出しに変えました。

「うちの仕事は、地図に残る仕事じゃない。地元のおばあちゃんが安心して通れる道を守る仕事なんだ」

結果はどうなったでしょうか。「地元の役に立ちたい」という20代の若手が2名も応募してきたのです。

彼らは給与の高さよりも、自分の仕事が「誰の笑顔に繋がるのか」を知りたがっていました。情報や想いの解像度を上げるだけで、採用の結果は劇的に変わります。

 

よくある質問(FAQ)

Q. うちの会社には、アピールできるような「独自報酬(独自の文化や魅力)」が本当に何もありません。どうすればいいですか?

A. 経営者様ご自身が「当たり前」だと思っている日常の中に、実は隠れた魅力が眠っています。例えば、「残業がほとんどなく、夕飯は家族と食べられる」「宇都宮市内でも渋滞を避けて車通勤しやすい立地である」といったことも、求職者にとっては立派なメリットです。私、葆東がヒアリングにお伺いすると、必ずどの会社にも独自の魅力が見つかります。まずは社員の方に「なぜうちの会社で働き続けているのか」を聞いてみるのもおすすめです。

Q. 仕事の「苦労」や「大変な部分」を正直に書くと、応募数が減ってしまいませんか?

A. おっしゃる通り、全体の「応募数」は減る可能性があります。しかし、それで良いのです。私たちが目指すのは「とりあえず誰でもいいから来てほしい」ではなく「自社にマッチする人材を一本釣りする」ことです。大変な部分を隠して入社されても、すぐに「思っていたのと違う」と早期離職に繋がり、お互いに不幸になってしまいます。マイナス面も包み隠さず伝えることで、それに納得した質の高い人材だけが集まるようになります。

Q. 求人票の文章は、長ければ長いほど想いが伝わるのでしょうか?

A. 想いを込めることは大切ですが、長すぎる文章は最後まで読まれません。特に今の求職者は、スマートフォンで求人情報を探すことがほとんどです。スクロールした時に文字が真っ黒に詰まっていると離脱されてしまうため、適度に改行を入れたり、箇条書きを活用したりして、視覚的にも「読みやすい」ボリュームに調整することが大切です。

 

まとめ:経営者の言葉が最強のキャッチコピー

結局のところ、求人票は経営者から未来の社員への「ラブレター」です。

どのような想いでこの会社を立ち上げ、どのような未来を一緒に作りたいのか。その熱量を、かっこいい言葉で飾る必要はありません。無骨でもいい、不器用でもいい。あなたの「本音」が透けて見える文章こそが、最高のキャッチコピーになります。

ぜひ今日、改めて自社の求人票を見直してみてください。そこには、あなたの情熱が宿っているでしょうか。もし、ただの事務的な書類になっているのなら、今すぐペンを走らせましょう。あなたの会社を待っている「運命の一人」は、必ずどこかにいます。

 


次回予告 7月19日(日)

生産性を爆上げする「朝礼」の仕掛け(Vol.33)


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