2026年08月17日 評価制度・給与・賞与
評価制度が社員の意欲を落とす?期待の若手が去った理由は「納得感のないB評価」(Vol.38)
栃木県内の経営者の皆様、本日も事業の発展と社員の皆様の幸せのために奔走されるお姿、心より敬意を表します。
今回、私が皆様に共有したいのは、ある栃木県内の企業で起きた「評価制度という名の悲劇」についてです。
宇都宮市内に本社を構える、ある建設資材卸業の社長からご相談をいただいた時のことです。その会社では、数年前に立派な人事評価制度を導入しました。項目は細かく設定され、システムも導入し、一見すると先進的な取り組みに見えました。
しかし、現実は厳しいものでした。将来の幹部候補と期待されていた30代の優秀な社員が、突然の退職届を出したのです。社長が驚いて理由を尋ねると、返ってきたのは乾いた声での一言でした。
「私の仕事は、この紙一枚の数字でしか見られていないのですね」
結論から申し上げます。良かれと思って導入した「公平なはずの制度」が、皮肉にも最も大切にすべき社員の心を折ってしまうことがあります。評価制度が「運用のための管理ツール」へと形骸化し、現場の手触り感や人間味が置き去りになっていることが原因です。
1. 評価シートを埋めることが目的になった組織の末路と3つの原因
なぜ、栃木の真面目な企業でこのような悲劇が起きてしまうのでしょうか。多くの現場を見てきて確信しているのは、評価制度が「運用のための運用」に陥っているという事実です。
その背景には、大きく分けて3つの原因があります。
① 現場の「手触り感」から乖離した評価基準
都会の大手コンサルタントが作ったような綺麗な言葉の羅列では、現場に響きません。実態に伴わない基準は、制度の形骸化を加速させます。
② 「過去のダメ出し」に終始する評価面談
終わったことへの「裁き」ばかりに時間が使われ、これからどう輝くかという「未来の話」が完全に欠落してしまっています。
③ 賃上げの配分を決めるための「言い訳」としての利用
物価高騰が続く今、栃木の経営者は皆、賃上げに苦心されています。しかし、原資が限られているからこそ、評価の結果に「納得感」という魂がこもっていなければ、社員は会社に見捨てられたと感じてしまうのです。
⚠️ 優秀な若手を絶望させた「B評価」の裏側 先ほどの30代社員は、マニュアルにはない顧客対応や後輩の精神的ケアに多大な時間を割いていました。しかし、評価シートにはその項目がなく、一律で「平均的なB評価」が下されてしまったのです。これが、エンゲージメントをゼロにした原因でした。
2. 評価を「対話」に戻し、社員の熱量を引き出す3つの処方箋
形骸化した評価制度を、再び社員の熱量を引き出すツールへと変えるには、意識の転換が必要です。当社が推奨する改善の3ステップをお伝えします。
① 評価項目の半分を捨て、会社の「らしさ」を言語化する
細かすぎる項目は管理の都合に過ぎません。「栃木で一番親切な対応をする」といった、具体的で血の通った自社独自の基準を一つ入れるだけで、現場の視座は一気に変わります。
② 面談の目的を「裁き」から「支援」へ180度転換する
評価の結果を伝える時間は最小限に留め、面談時間の8割を「次の半年、どうすれば君はもっと輝けるか」という未来の作戦会議に充ててください。
③ 賃上げの背景を経営者自身の言葉で語り尽くす
数字だけを通知するのではなく、この昇給額(または据え置き)に込めた社長の想いや、会社が今直面している挑戦を直接伝えてください。栃木の社員は、納得さえすれば驚くほどの粘り強さを発揮してくれます。
3. まとめ:評価制度は管理ツールではなく、経営者からの「期待の証」
評価制度は、単なる管理ツールではありません。それは、経営者から社員への「期待の証」であるべきなのです。
評価の形骸化は、社員への関心の欠如から始まります。過去の古い仕組みを見直し、人間味あふれる「生きた評価」への一歩を踏み出しましょう。
- 細かすぎる評価項目を捨て、自社らしさを明文化する
- 面談を「過去のダメ出し」から「未来の作戦会議」に変える
- 数字の向こうにある「認められたい」という願いに向き合う
栃木の未来を創る社員たちの眼差しは、数字の向こう側にある信頼を待っています。ぜひお手元の評価シートを眺めながら、そこに社員の顔が浮かんでくるかどうか、静かに自問してみてください。
👉 形骸化した評価制度を見直し、社員のやる気を引き出す「運用の仕組み」について相談してみる
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次回予告 8月23日(日)
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