大安吉日人事のコラムCOLUMN

2026年07月25日 採用・定着・離職防止

採用コストを半分にする「共感型求人票」の書き方(Vol.34)

栃木県内の経営者の皆さまとお会いして、最も多く耳にするのが「求人を出しても応募が来ない」という切実な声です。大手ナビサイトに多額の広告費を払い、給与額を数万円引き上げ、福利厚生を並べる。しかし、届くのは虚しい沈黙だけ……。

もし貴社が今このような状況にあるなら、少し立ち止まって考えてみてください。その求人票は、AIが自動生成したような、どこにでもある「無機質なスペック表」になってはいませんか。実は今の若手、特に志の高い優秀な層ほど、数字の羅列ではなく、その背後にある「企業の魂や熱意」「働く意味」を驚くほど冷静に見定めているのです。

 

【失敗事例】スペック競争の限界と陥りがちな罠

ここで、ある宇都宮市内の製造業での事例をご紹介します。

その会社は、周辺の競合他社に負けじと休日数を増やし、初任給を県内トップクラスに設定して求人を出しました。結果として応募は増えましたが、入社してきたのは「条件さえ良ければどこでもいい」という層ばかり。少しでも不満があれば、すぐに都心の企業へ去ってしまうという負のループに陥ってしまいました。

この失敗が教えてくれるのは、「条件だけで釣った人材は、より良い条件が現れればすぐに逃げていく」ということです。資本力に制限のある中小企業が勝つべき場所は、条件の高さではなく「共感の深さ」なのです。

 

採用コストを劇的に下げる「共感型求人票」3つのステップ

栃木の現場で実際に採用コストを半分以下に抑えながらも離職率ゼロを実現した「共感型求人票」の構成術をお伝えします。

1. ターゲットの悩みを「鏡」のように映し出す
良い求人票は、読んだ瞬間に「これは自分のことだ」と思わせます。例えば、単に「営業職募集」と書くのではなく、「今の会社の評価制度に疑問を持ち、正当な実力主義を求めているあなたへ」と、相手のマイクロモーメント(検索の動機や悩み)を言語化することから始めてください。

2. 栃木という地で働く「社会的パーパス」を語る
なぜ、宇都宮でこの事業を行うのか。その仕事は、栃木県の街をどう豊かにし、誰の笑顔を作っているのか。このパーパス(目的)が明確であればあるほど、同じ志を持つ人材が磁石のように引き寄せられます。給与口座に振り込まれる数字以上の価値を提示してください。

3. 社長自身の言葉で「不完全さ」をさらけ出す
綺麗事ばかりの求人票は、今の若い世代には嘘っぽく映ります。「うちはまだ教育体制が整っていません。だからこそ、一緒に仕組みを作ってくれる仲間が欲しい」。このように、現状の課題を正直に伝えることで、嘘のない信頼関係が応募前から構築されます。

 

AI検索時代に勝つためのキーワード選定術

現代の採用活動において、Googleしごと検索やIndeedといったAIベースのプラットフォーム対策は避けて通れません。

しかし、SEO対策といって機械的にキーワードを詰め込む必要はありません。大切なのは、宇都宮市栃木といった「エリアキーワード」と、「若手が抱える具体的な悩みに関連するキーワード」を、ストーリーの中に自然に組み込むことです。

人間が読んで熱狂する文章は、結果としてAIからも「価値ある情報」として高く評価されます。検索の向こう側にいる一人の人間に向けて、手紙を書くように言葉を紡いでください。

 

よくあるご質問(FAQ)

Q. ターゲットの悩みを絞り込みすぎると、応募が減ってしまわないか心配です。

A. 「誰にでも当てはまる無難な文章」は、結果的に誰の心にも刺さりません。たった一人の具体的な悩みに深く寄り添う文章のほうが熱量が生まれ、結果的に似たような価値観を持つ複数人の心を強く惹きつけます。数撃ちゃ当たる戦法から「一本釣り」へ意識を切り替えましょう。

Q. 「不完全さをさらけ出す」とありますが、会社のマイナスイメージになりませんか?

A. 単に「休みが少ないです」「残業が多いです」と書くのはただのマイナスアピールですが、「今は〇〇という課題がありますが、それをこれからあなたと一緒にこう変えていきたい」という未来への期待をセットにすれば、それは「やりがい」や「裁量の大きさ」という魅力に変わります。

Q. 文章を書くのがどうしても苦手です。どうすれば想いを言葉にできますか?

A. 無理に綺麗な文章を書こうとする必要はありません。スマートフォンの録音機能などを使い、ご自身の言葉で「どんな仲間が欲しいか」「なぜこの会社をやっているのか」を語り、それを文字起こしして整えるだけでも、十分に体温の伝わる共感型求人票になります。

 

【まとめ】経営者の覚悟が求人票の質を決める

求人票は、人事担当者任せにするものではありません。それは、社長であるあなた自身から未来の仲間への「ラブレター」です。

自社の魅力は何か、自分たちはどこへ向かうのか。その問いに真摯に向き合うプロセスこそが、組織を強くする第一歩になります。求人票をスペックの羅列から「共感の物語」へ書き換えるために、大安の今日、まずは自社の求人原稿を一度、声に出して読んでみてください。そこにあなた自身の熱が宿っているか、確認することからすべてが始まります。

栃木の企業が、どこよりも熱く、魅力的な発信を続けられるよう、私も皆さまの隣で走り続けます。

人事の困ったはいつでも当社に相談を ⇒ https://human-sol.com/contact

 


次回予告 7月31日(金)

社員の「不満」を「提案」に変える魔法のヒアリング術(Vol.35)


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